2000/06/24UP
感情・感覚の記憶と再現
演技者は、役作りをし演技プランを立て理由付けをして、役の人物として劇中で生きるわけだが、大切なのは役が感じることを本当に感じることである。と言っても、違う人間である以上完璧にはいかない。イメージにより、自分の中にある一番近いものを感じる必要があると言った方が良いであろう。
そのためには、普段から意識して、自分の感情・感覚を記憶して、それを再現出来るようにしておくことである。梅干を食べることを想像すると酸っぱい感覚が蘇ってきて、唾液を出すことが出来る。これは誰もが出来る「感覚の記憶」の例である。演技者は自分が経験する感情・感覚を出来るだけ多く再現出来るように日々努力して欲しい。
感覚に関しては、コーヒーを飲む時、ただ飲むのではなく、カップの柄を持った時の感触・温度、持ち上げる時の重み、コーヒーの香り、唇がカップに触れた時の感触・温度、コーヒーが口に入ってくる感覚・温度・味を記憶して、再現してみると言った具合である。
感情に関しては「もう一人の自分」の項で述べたので、そちらを参照して欲しい。
今回書いたことは非常に大事なことで、メソッド(メソード)と言われる手法のひとつである。しかし、私はメソッドは万能ではないと思っている。特に日本でやられているやり方には疑問が多くある。次回、このメソッドについて私が思うところを述べてみようと思う。